03.15
Wed
こんばんは、水曜日記でございます。
先週は新作にたくさんのリアクションをいただきありがとうございました。
まさに両極といった、しかもいままでの流れを変えるようなラインナップで、驚かれた方も多かったかもしれません。
それにも関わらず受け入れてくださったお客様の度量というか、“伊達に何年も見てきてないわ。” というスタンスが嬉しかったですし、なんでしょう、かっこいいですね。大好きです。
今日ちょっと長くなるのですが、ここ数年を含む経緯をお話ししたいと思います。
実は少し前まで数ヶ月に渡る暗黒期間にいたんです。
自分のできないことや足りないことばかりが目に付き、どうにかそれを1mmでも減らそうとする過程で何がしたいのかわからなくなったんです。
そんな時に、10年近く前に友人から預かった石をやっと形にできるとリングを仕立てたんです。
その石のカラーと友人が言っていたテーマから、とてもかわいいものができて。
友人の快諾もあり型も取って、他の石でも展開しようと思ったんです。
ホワイトトパーズを留めて、きれいにできて、でもそれを見た時に(素敵だけど、これは私の作りたかったもの?)という疑問が浮かんでしまったんです。友人のリングを完成した時は、本当にプリンセスのようなかわいさだったのに、透明の石を置いた瞬間に、違うような気がしてしまった。
きれいなのに、上手にできたのに。なんならこういうことができることを目指していたのに。
そこから軽く寝込んだりしつつしばらく悩みまして。
そのタイミングで、高校時代からの友人でずっとatmosphere peaceの商品もビーズ時代から買い続けてくれている子から連絡が来たんです。
「娘がアクセサリーに興味を持ち始めたんだけど、子供用のイヤリングって作れるかな?」
なんてかわいい依頼だと思い、作ったんです。イヤリングに加えてネックレスもおまけで作ったりして。
その時にふたつのことに気づいたんです。
ひとつは、私はデザインの配置の塩梅を見抜くのがやっぱりうまいこと、そして判断が早いこと。そしてそれが楽しいこと。
もうひとつは、私が欲しかったものは既成のパーツで手を打たずに欲しいサイズの欲しい形のパーツを作れることや、立てたい場所にピアスポストを立てたり、石を私にとって美しい位置と角度で留めることだったこと。
そうして立ち止まって考えていく中で、ビーズアイテムを作っていた時のお客様とのエピソードを思い出しました。
その方は、atmosphere peaceの商品をとても好いてくださっていて、ご注文時にご感想などいただく中である時こう言われたんです。
「まだ小さい娘が大人になったら譲ってあげたいって思ってるんです♡」
この時なんとお返事したかはっきり覚えていないけれど、おそらく喜んでお礼も言ったんじゃないかと思います。
その気持ちも嘘じゃない、でも心の中ではざわざわしていたのを覚えています。
なぜなら、メッキのアイテムはお嬢さんが大人になる頃、いい状態ではない可能性がとても高いから。
その頃からずっと、長持ちするものが作りたかったような気がします。長持ちするもの、あるいは私が何度でも直せるもの。
そんな経緯で、初期衝動やシンプルな願いを思い出したんです。
少し話が変わりますが、ジュエリーって本当にすごくて。
宝石ひとつとっても膨大な知識と経験が必要なんです。
宝石を鑑定するだけで仕事になるって、普通に考えてそれだけ大変だからです。
石を留めるのもそう。石を留めるだけで仕事になるのは、突き詰めるとそれだけ奥が深くて技術がいるからです。
そういうことだらけです。
そのすべてをどうにか自分の手札と努力だけで、お客様に迷惑をかけないようになんとかしようとしていたんです。
たとえばちゃんと信用のできるところからしか石を買わないとか、技術的に安心できる状態になるまで石留めのアイテムを売らないとか。
今思えば、よくそんな状態でatmosphere peaceのデザイン性を守ってきたなと思います。
逆にすごいし、よくやったなと。
でも何年も自分の足りない部分を追い続けることで、結果的にいろんなことができるようになっていて。
最初の目的を忘れてしまったことで得られたものだと思います。なんだかおつかいの内容を忘れた子供みたいな感もありますが。
今後は、私のデザイン能力と、欲しいパーツを作れる技術と、再生可能な金属を使って元のビーズアイテムのようなシリーズをフリーダムに楽しく作っていこうと思っています。
同時に、WAX造形がかなり興味深くて。
今度どうやって作っているか動画をアップしたいと思うんですけど、デザイン画とか描かないで適当に彫ったらなんだか厳かな感じになるんです。なんなんでしょうねこれ、すごく不思議で。私が驚いているだけで、結構誰でもできるのでしょうか。
元はニューメタルやロックを聴きながら音に身を任せ、彫る!という遊びや息抜きのつもりだったんですけど、他人事みたいに先が見たくなっています。
手が勝手に彫り進めていくのを美しい線を追う判断によってディテール補正していく感じといいますか。
元々アクセサリーデザインにしても、ひらめきを掴まえて現実にする。みたいな具合で自分で作っている感が薄いのですが、ここで無意識(?)のデザインが極まってきている気もします。作らされているとかいうと、すごそうですがなんだか、あの、自然にできるとしか言いようがなくて。そしてできるものが客観的に好きなんです。
自分のことなのに他人事みたいですが。
そして、最後にマリッジリングなどシンプルなリングについて。
このことに関しては、2019年の秋にあった台風の時にわかったことをやはりずっと思い続けていて。
私の考えですが、指輪はもはや物ではないと思っています。
それが結婚指輪ならその指輪は身につけ持ち運べるお相手の分身のようなもの、あるいは自分自身への願いや想いを物の形にしたものだと思います。
物ということで片付けられない。指輪は、物という枠組みを超えてしまっている数少ないもののひとつだと思います。
なので、そんな大切なものを作るに値すると思ってもらえて初めて作らせてもらえるものだという感覚があります。
目を楽しませ、気持ちを明るくする、ビーズアイテムやWAX彫刻のオブジェのようなアイテム。
その良さや価値、私にできること。
それとは別の軸で、とても光栄で重要な役割として指輪のことを思っています。
すごくかけがえのない役割を賜ったと、作らせてもらえる自分になれたこれまでの人生の一連の流れにも感謝するような気持ちで。
とても楽しかったり、とても嬉しかったり。
今のatmosphere peaceはそんな感じです。
相変わらず絞りきれてないし不器用な運営ですが、こうしていられるのは今回のように気づく機会を与えてくれた友人たちであったり、お客様との出会いや会話であったり、そういった必要なタイミングで導いてもらっているからな気がします。
あと、くじけそうになると褒めてくれる人が現れるという、運命的な甘やかしも。
私は引き続きひとつずつ商品を作っていこうと思います。楽しく、まじめに、ストイックに。
最後まで読んでくださって本当にありがとうございます。
さて、今週も新作がございまして。
・アールヌーボー的要素のあるシルバーと木のネックレス
(ビーズ組みがどれだけ厄介か再確認しました。楽しかったです。いつかその話したいです)
・WAX造形シリーズ、ごつめのリング
の2点を予定しております。今回も土曜日のお昼にアップ予定です。
お立ち寄りいただけたら嬉しいです。
■atmosphere peace公式ラインアカウント

オーダーメイドのご依頼や、メンテナンスのご相談などお気軽にどうぞ。対面ご予約も受け付けております。
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■atmosphere peaceでは、オーダーメイドのご依頼もお受けしております。
手順やお値段などわからないことが多いとなかなか一歩を踏み出せないというお声をいただきまして、手順等々を全部書いたページを作ってみました。

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先週は新作にたくさんのリアクションをいただきありがとうございました。
まさに両極といった、しかもいままでの流れを変えるようなラインナップで、驚かれた方も多かったかもしれません。
それにも関わらず受け入れてくださったお客様の度量というか、“伊達に何年も見てきてないわ。” というスタンスが嬉しかったですし、なんでしょう、かっこいいですね。大好きです。
今日ちょっと長くなるのですが、ここ数年を含む経緯をお話ししたいと思います。
実は少し前まで数ヶ月に渡る暗黒期間にいたんです。
自分のできないことや足りないことばかりが目に付き、どうにかそれを1mmでも減らそうとする過程で何がしたいのかわからなくなったんです。
そんな時に、10年近く前に友人から預かった石をやっと形にできるとリングを仕立てたんです。
その石のカラーと友人が言っていたテーマから、とてもかわいいものができて。
友人の快諾もあり型も取って、他の石でも展開しようと思ったんです。
ホワイトトパーズを留めて、きれいにできて、でもそれを見た時に(素敵だけど、これは私の作りたかったもの?)という疑問が浮かんでしまったんです。友人のリングを完成した時は、本当にプリンセスのようなかわいさだったのに、透明の石を置いた瞬間に、違うような気がしてしまった。
きれいなのに、上手にできたのに。なんならこういうことができることを目指していたのに。
そこから軽く寝込んだりしつつしばらく悩みまして。
そのタイミングで、高校時代からの友人でずっとatmosphere peaceの商品もビーズ時代から買い続けてくれている子から連絡が来たんです。
「娘がアクセサリーに興味を持ち始めたんだけど、子供用のイヤリングって作れるかな?」
なんてかわいい依頼だと思い、作ったんです。イヤリングに加えてネックレスもおまけで作ったりして。
その時にふたつのことに気づいたんです。
ひとつは、私はデザインの配置の塩梅を見抜くのがやっぱりうまいこと、そして判断が早いこと。そしてそれが楽しいこと。
もうひとつは、私が欲しかったものは既成のパーツで手を打たずに欲しいサイズの欲しい形のパーツを作れることや、立てたい場所にピアスポストを立てたり、石を私にとって美しい位置と角度で留めることだったこと。
そうして立ち止まって考えていく中で、ビーズアイテムを作っていた時のお客様とのエピソードを思い出しました。
その方は、atmosphere peaceの商品をとても好いてくださっていて、ご注文時にご感想などいただく中である時こう言われたんです。
「まだ小さい娘が大人になったら譲ってあげたいって思ってるんです♡」
この時なんとお返事したかはっきり覚えていないけれど、おそらく喜んでお礼も言ったんじゃないかと思います。
その気持ちも嘘じゃない、でも心の中ではざわざわしていたのを覚えています。
なぜなら、メッキのアイテムはお嬢さんが大人になる頃、いい状態ではない可能性がとても高いから。
その頃からずっと、長持ちするものが作りたかったような気がします。長持ちするもの、あるいは私が何度でも直せるもの。
そんな経緯で、初期衝動やシンプルな願いを思い出したんです。
少し話が変わりますが、ジュエリーって本当にすごくて。
宝石ひとつとっても膨大な知識と経験が必要なんです。
宝石を鑑定するだけで仕事になるって、普通に考えてそれだけ大変だからです。
石を留めるのもそう。石を留めるだけで仕事になるのは、突き詰めるとそれだけ奥が深くて技術がいるからです。
そういうことだらけです。
そのすべてをどうにか自分の手札と努力だけで、お客様に迷惑をかけないようになんとかしようとしていたんです。
たとえばちゃんと信用のできるところからしか石を買わないとか、技術的に安心できる状態になるまで石留めのアイテムを売らないとか。
今思えば、よくそんな状態でatmosphere peaceのデザイン性を守ってきたなと思います。
逆にすごいし、よくやったなと。
でも何年も自分の足りない部分を追い続けることで、結果的にいろんなことができるようになっていて。
最初の目的を忘れてしまったことで得られたものだと思います。なんだかおつかいの内容を忘れた子供みたいな感もありますが。
今後は、私のデザイン能力と、欲しいパーツを作れる技術と、再生可能な金属を使って元のビーズアイテムのようなシリーズをフリーダムに楽しく作っていこうと思っています。
同時に、WAX造形がかなり興味深くて。
今度どうやって作っているか動画をアップしたいと思うんですけど、デザイン画とか描かないで適当に彫ったらなんだか厳かな感じになるんです。なんなんでしょうねこれ、すごく不思議で。私が驚いているだけで、結構誰でもできるのでしょうか。
元はニューメタルやロックを聴きながら音に身を任せ、彫る!という遊びや息抜きのつもりだったんですけど、他人事みたいに先が見たくなっています。
手が勝手に彫り進めていくのを美しい線を追う判断によってディテール補正していく感じといいますか。
元々アクセサリーデザインにしても、ひらめきを掴まえて現実にする。みたいな具合で自分で作っている感が薄いのですが、ここで無意識(?)のデザインが極まってきている気もします。作らされているとかいうと、すごそうですがなんだか、あの、自然にできるとしか言いようがなくて。そしてできるものが客観的に好きなんです。
自分のことなのに他人事みたいですが。
そして、最後にマリッジリングなどシンプルなリングについて。
このことに関しては、2019年の秋にあった台風の時にわかったことをやはりずっと思い続けていて。
私の考えですが、指輪はもはや物ではないと思っています。
それが結婚指輪ならその指輪は身につけ持ち運べるお相手の分身のようなもの、あるいは自分自身への願いや想いを物の形にしたものだと思います。
物ということで片付けられない。指輪は、物という枠組みを超えてしまっている数少ないもののひとつだと思います。
なので、そんな大切なものを作るに値すると思ってもらえて初めて作らせてもらえるものだという感覚があります。
目を楽しませ、気持ちを明るくする、ビーズアイテムやWAX彫刻のオブジェのようなアイテム。
その良さや価値、私にできること。
それとは別の軸で、とても光栄で重要な役割として指輪のことを思っています。
すごくかけがえのない役割を賜ったと、作らせてもらえる自分になれたこれまでの人生の一連の流れにも感謝するような気持ちで。
とても楽しかったり、とても嬉しかったり。
今のatmosphere peaceはそんな感じです。
相変わらず絞りきれてないし不器用な運営ですが、こうしていられるのは今回のように気づく機会を与えてくれた友人たちであったり、お客様との出会いや会話であったり、そういった必要なタイミングで導いてもらっているからな気がします。
あと、くじけそうになると褒めてくれる人が現れるという、運命的な甘やかしも。
私は引き続きひとつずつ商品を作っていこうと思います。楽しく、まじめに、ストイックに。
最後まで読んでくださって本当にありがとうございます。
さて、今週も新作がございまして。
・アールヌーボー的要素のあるシルバーと木のネックレス
(ビーズ組みがどれだけ厄介か再確認しました。楽しかったです。いつかその話したいです)
・WAX造形シリーズ、ごつめのリング
の2点を予定しております。今回も土曜日のお昼にアップ予定です。
お立ち寄りいただけたら嬉しいです。
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