01.30
Wed
こんばんは、水曜日記でございます。

日差しの温かさに反して着ても着ても寒いです。
冬だなぁ。。


と、そんな折、いろいろなことが重なって先週末に完全な休日を取ってみました。
ちょっと長くなるので前後編に分けて来週の水曜日記もこの続きを書こうと思います。


“いろいろなこと”のひとつはフォローしている菓子研究家の福田里香さんのポストでした。

尾山台にある洋菓子店オーボンヴュータンに行ったよ。という内容だったのですが、(あ。)と思って#オーボンヴュータンを調べてみたんです。
するとあれから時が経ち、髪の真っ白になった河田勝彦シェフの写真を見つけました。


ちょっと16歳ぐらいの私にさかのぼりますね。

私はある日、近所のスーパーの2階の本屋の料理本のコーナーに1冊の本を見つけます。
その当時、お菓子作りが好きで毎週土曜にクッキーを焼き精査したり、作るたびに全然お店のそれのようにならないスポンジ生地についていろいろな方法を試して試行錯誤していたんです。

たとえば、「粉を入れたらサックリと手早く混ぜる」と書かれているところを、“もしかすると手早くしようと慌てるあまり混ぜが甘いのかも、今度は強気でいってみよう”とか。“単純に泡立てが完成する前に諦めている可能性があるから、もっとちゃんと本と同じになるまで追おう”とか。

ネットが無い時代なので、オレンジページに載っていたショートケーキの作り方の数ページだけが手がかりだったんです。

そこでその本に出会うわけです。
日本を代表するパティシエのみなさんがあらゆる洋菓子の作り方を説明し、スポンジ生地についてはなんと4パターンの作り方と特徴などが拡大写真と共に載っていました。

今思うと、北海道の更に街外れの、スーパー併設の本屋にこんなコアな本をよく置いたなと思うし、そんなところから私もよく見つけたものだなと思います。
解決の可能性の糸口を掴んだものの、3,000円超の大型本。
バイトもしていない身分にはなかなか悩ましい価格帯なのです。
それからそのスーパーに行ってはその本に直行し、立ち読みし、取り入れられそうな要点を覚えて帰って試す。みたいなことをした果てに、多分お金が貯まったか、お正月かなにかが来て、晴れて手に入れまして。

その本でパティシエの一人として監修なさっていたのが、先述の河田勝彦シェフなんです。

今、代替わりの途中とのこと、
ちょうど外出の用もあるし、行ってみようと。

少しのお酒とランチを頂いた後、ケーキを選びにショーケースに向かいました。
インスタでみたピスタチオのもいいし、アイスケーキもいいかも♪
など思いながら眺めていったその先に、ヴァレ・デ・フレーズが。

ばちんと目が合って、お互いにニヤリとする感じ。
“ここで逢ったが百年目”というような、嬉しさと、身の引き締まる思いが同時にするような。

ケーキに対して、こんな気持ちになることは多分一生ないのではないかと思います。


なぜそんな気持ちになったかというと、例の本。手に入れて喜んだものの、材料が専門的過ぎてホクレン(地元密着型スーパー)やラッキー(同じく)には置いていないものばかり。

なんとか頑張れたのが、このヴァレ・デ・フレーズであり、このケーキでちゃんとビスキュイ生地(オレンジページのジェノワーズ生地とは違う方法)を試すことができた、と、ちょっと思い入れがあるんです。

席に戻り、運ばれてきたそのケーキを食べていると目の前を“今出勤しました”という様子の河田シェフが横切っていきました。

ちょっと息ができない感じ、時間が止まってるんだか、あの頃まで巻き戻ってるんだか、わからないような感じ。

なんでしょう、
私は結果的にパティシエにはなれなかったけど、数十年後にその本に載っているお店(移転したので厳密にいえば違いますが)で、今なんとかこしらえているそのケーキの本物を食べることができるし、その時に本物の河田シェフを見れるよ。
という未来は、16歳の私へのかなり素敵な贈り物になったんじゃないかと思いました。

あと、すごく飛躍してしまうのですが人間が生きているってすごいことだなと。
ただ見かけた、というだけなのに同じ時代に生きていることの素晴らしさとか、感謝とか。
で、それは自分もそうだし、身近な人もそうで、あらためてこの限られた時間を愛しく味わおうと思いました。

また行こう。

ふふ、もっと早く行けばよかったのにとも思いますが、夢を叶えられなかった自分に会いたくなかったりと、ちょっと怖かったんです。
間に合ってよかった。幸せ。



さて、
何屋のブログ?というような長文、お疲れ様でした。なんかごめんなさい、でも来週もです(笑)
あ、でもケーキの話ではないです。


そして今週の新作は、


・ちょっと夢みたいな(?)でもシンプルなネックレス、ブレスレット、イヤリング(ピアス)


のセットです。
きれいです。
楽しみにしていただけると嬉しいです。




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